まちの「ファミコンショップ」がこの先生きのこるには。

E3でPSPの新機種「PSP go」がダウンロード専用機ということで、主に小売方面からの議論を巻きおこしてるみたいですが。いわゆる「ファミコンショップ」的な町のゲーム屋さんはどうなってしまうのでしょう、的なことをちょっと考えてみた。


新型PSP(DL専用)発表に小売店が激怒 「私達お店はもういらないって事?」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1270626.html


念のためですが、このエントリはid:cosmovita個人の思いつきであり、特定の組織の見解等々とは全く無関係ですからね


ゲームの業界で起こることって、基本的には本や音楽みたいなコンテンツの世界で起きてきたことと相似なんだと思うけど、町のゲーム小売店が果たしてきた機能が主にネットによってどう変わっていくのか、改めて考えてみる。
具体的には「ファミコンショップ」が担っていた商品の流通・情報の交換・体験の提供の3つの機能について。 他に何かゲーム屋さんの役割があったら誰か教えて^^

■[1] ハード・ソフトの「売場」としての機能 → ネットワーク越しに提供

言うまでもなく、ゲーム屋さんはゲームを売る場所。
が、少なくともゲームソフトの内のいくらかは、この機能は遠くない未来にネットワーク経由に移っていくはず。ダウンロード販売のメリットといえば、
・タイトルのラインナップ数が実質的に無制限
・パッケージや流通にかかるコストの分だけ低価格
・旧作に対しても柔軟な値付けが可能
といったところかな。引きこもりで生活時間がアレな僕にとっては、外にでなくていいってのもありますけど


店舗に置けるタイトルの数は限られてるし、(中古は兎も角)値下げは仕入れ値を見ながら店の判断でやるしかない。好きなゲームを、いつでも、(恐らくは)より安く買えるとすれば、これは大きな価値になるはず。
違法流通に関しての話もほんとうは関係あるんだけど、ここでは省略

■[2] ユーザ同士の「情報交換の場」としての機能 → ネットコミュニティ上で発展

僕の幼少時代の勝手なイメージかもしれないけど、ゲーム屋さんといえば「濃ゆい」店員さんがいて、おすすめの新作とか攻略法とかの情報を教えてくれる場所、って印象があるのね。で、ガキお子様たちがミニ四駆いじりながらコロコロに書いてあるような情報を共有する、みたいな。
そんな風景が日本のどこかに残っているのかは知らないけど*1、そゆ情報交換の場としての機能は確かにあると思う


でもインターネット全盛のいま、2ちゃんねるmixiに行けば誰かが何か書いてるのをすぐ見られるし、「落とし神」みたいな攻略サイトを見ればダンジョンの攻略法からフラグの立て方まで、すぐに情報がげとーできちゃう。
「神」の活躍の場所が変わっただけかもしれんけど、兎も角としてお店に行かなくても情報は手に入る時代な訳ですよ

■[3] ユーザ(達)による「ゲーム体験の場」としての機能 → 体験版&ネット空間で代替?

試遊台が置いてあって、交代で新作を遊んだり・・・ってのもあるんだけど、仲間とか対戦相手を求めてる界隈のゲーマーの「たまり場」的な機能ってあるよね。世代的にポケモンなんだけど、いまはモンハン?とか?


ユーザひとりの「体験」であれば、ダウンロードでのフリー体験版の提供、なんて素晴らしいアドバンテージがネットにはあるし、購入への動機付けも容易なはず。
お店では基本的に試遊できないし、店員さんに話聞いてパッケージとにらめっこして決めるしかないけど、ダウンロードなら体験版で1面だけフリーで遊べて「ここから先に進みたかったら買ってね」っていう携帯コンテンツ的な売り方もできちゃう


対戦や仲間探しについては、正直よくわかんにゃい。MMORPGとか、どうなの?

■で、きのこるには。どんな付加価値が提供できる?

正直、あんまり未来はみえないんだけど、可能性があるとすると[3]の体験機能の延長線上か、あとはマーケティング的な場としての活用か、くらいかなー。


直観的には、リアルな場を軸にした体験って、ゲームの場合は音楽以上(並?)に重要な気がしていて、リアルにおいて嗜好を共有する人たちが「集う」場所ってのは、何らか必要なんじゃないかと思う。アニヲタだってニコ厨だって、わらわら集まる訳だし。
ハード売りなりダウンロードセンターなりを提供しつつ、そういう人々のターミナルとして機能することは可能なんじゃないか、ってのがひとつね。まあ、現実的に考えて都市部かつニッチ向けになる可能性は否めないけど


あとこれも体験の延長なんだけど、Rosaがしてくれた話で示唆的だった のは、商品を売らないショールーム的なメーカー直営の店が、NYにはいっぱいあるよって話。いや、東京にも原宿のauのとか、銀座のSONYのとか色々あるんだけど。
そういう意味で、リアルにおけるハード&ソフトのプロモーション手段として店舗活用する、ってのは一つの手かもしれない。ハードの販売とか最新ソフトのデモとかね。
…とここまで書いておいて、いちばんの問題は直営でもない限り店側にそんなインセンティブがほとんどないってことに気づいた(←致命的



正直、投げっぱなしなエントリですが、何かファミコンショップを救う手立ては他にないでしょうか。中古市場について言及する人も多そうだけど、ヤフオクブックオフで十分、な気がするんだよねー


参考エントリ

読みゲー 「PSP Go」 の「UMD廃止」に対するゲーム小売店側の想い 簡易まとめ 
 http://yomigee.blog87.fc2.com/blog-entry-257.html
PSP go」の疑問 UMDは、販売店は、ソフト開発はどうなる - ITmedia News
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/04/news077.html
SCE 平井一夫CEO インタビュー -AV Watch
 http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/20090604_212396.html

*1:麻布十番のゲーム屋にはよくキッズがたまってるけど