ぶっく★れびゅぅ



紅の敬愛する(?)著者は東京都立大助教授、所謂ブルセラ論争で有名ですね。
本書は道徳や倫理が存在しない現代の日本社会を鋭く分析し、
オウムなど新興宗教の価値観にハマらずに生きる知恵をもつことを教えてくれる。


宮台は現代社会を「終わらない日常」に浸されたものと考える。
これは、私たちの未来にはいかなる進歩もいかなる破滅もなく、
ただ学校的な毎日の繰り返しのみがそこに存在する、という意識である。


そんな日常の中で道徳を失った人々は、何が良いことなのかを見失い、
わかりやすい教義(=ハルマゲドンによる救済)に従って、
破滅の先にある共同体性をめざし、新興宗教によりかかるのである。


と、内容はこんな感じ。宮台の社会に対する現状認識と、
それに基づく問題解決意識が、最も簡潔な形で記された著作だと思います。
(少なくとも、紅の読んだ中では)


「終わらない日常」と聞いて想像するのは、押井守の「うる星やつらビューティフルドリーマー」これは学校祭前日、
という日常を生きる夢が、永遠に繰り返されかける、という物語。


これを観れば、終わらない日常はユートピアであり、かつディストピアである、
という宮台の主張にも強く頷けるものがあることに気付くかも。


オウムが、その教義によってハルマゲドンという破滅の後に形成される共同体を拠り所となる価値観として提示したことは、
古くはAKIRAドラゴンヘッド、最近では20世紀少年などの漫画に描かれた崩壊した世界で人々を魅きつける宗教集団の姿を彷彿とさせますた。
特に科学の力を重要視しているという点は、共通点として見逃せないのでは。


んで、宮台の結論は畢竟「マターリ生きようぜ」ってことなんですけど、
これ、生活板の「どうせ○○だし××しようぜ」ってのに似てるなぁ、とかw
この時代をどう生き抜くかって問題は、どうしても紅個人に引きつけて考えちゃうけど、
問題意識を共有させてもらいながら、吟味し続けていきたい課題ではありますね。。。